昨日、ソフトバンク傘下で米携帯電話4位のスプリントと同3位のTモバイルUSの経営統合に関する交渉が決裂したと各メデイアで一斉に報じられた。

統合交渉決裂の要因は統合後の新会社の支配権を巡り、TモバイルUSの親会社であるドイツテレコムが統合新会社の筆頭株主となり事実上の支配権を握ることに、ソフトバンク側が譲歩できなかった事が主要因であるが、筆者はこの件に関してソフトバンクの決断を支持する。

TモバイルUSは時価総額でスプリントの約2倍の規模であり、Tモバイル側が交渉でも優位な立場にあり統合後はその親会社であるドイツテレコムが支配権を要求することは当然であるが、そうなれば事実上ソフトバンクは経営権を手放すことになる。

ソフトバンクの孫社長が見据える、あらゆるモノがネットに繋がるIOTなど今後の新たな情報ネットワーク革命の中で通信はその根幹のインフラであり、今回のスプリントとTモバイルUSの統合後の新会社での経営権を手放せば、事実上は世界最大の市場である米国でのこの分野における事業の足場を失うことになる。

孫社長にとってそれは絶対に受け入れることの出来ないものであろう。

だが、ソフトバンクがこれからの情報産業の世界市場において有力なプレイヤーの一角として存在感を発揮できる圧倒的な企業であることを目指すのであれば今回の決断は短期的には苦しい状況を受け入れるものであるにしても、長期的な視点で考えれば米国での事業基盤を維持することは正しい決断であったと筆者は考える。

スプリントは単独での事業立て直しを図ることは困難な道のりであることは確かであるが、今後は異業種との統合も視野に新たな方策を目指すべきであろう。